発達障害と“休めなさ”の不思議な関係

「休憩が苦手」って、私だけ?と思ってるあなたへ

〜発達障害と“休めなさ”の不思議な関係〜

「無理せず休みながらやってね」
「疲れたら一旦休憩してね」

…そんなふうに周りから声をかけられても、
なんだか休むタイミングがつかめない。
むしろ、「ここで止まったらもう戻れないかも」って焦ったり、
「このまま一気に終わらせた方がスッキリする!」って思ったり。

そんな“休憩下手”さん、実は少なくありません。
とくに発達障害のある人にとって、「休む」ってけっこうハードル高い行動なんです。
そもそも「集中」はコントロール不能?

発達障害、特にADHD傾向があると
「注意のスイッチの切り替え」が苦手です。

例えば――
・集中し出すと止まらない
・でも、外からの刺激で簡単に気がそれる
・いざ休もうと思っても、頭の中はずっとオン状態

…というふうに、注意力のハンドル操作がめちゃくちゃ難しいんです。
集中しているとき、それを途中で切って休むのは、むしろ不自然な感覚。
だったらこのまま突っ走ったほうがマシ!って思うのも、ある意味当然です。
「止まるのが怖い」の正体

人間って、ずっと走り続けることはできません。
だからこそ休憩が必要なのですが…。

発達障害のある人にとっては、
一度止まってしまうとまたトップスピードに戻るのが大変なんです。

例えるならこんな感じ:

🚗 「止まる=ブレーキ→ゼロ」
→ 再び加速しようとすると、スピードに乗るまでにエネルギーを使う。

なので、谷間ができるような感覚。
「せっかく波に乗ってたのに、また一からかよ〜」って思ってしまう。
この“谷”を嫌がって、つい休憩を避けてしまうのです。

“休憩なしと休憩ありの時の時間と集中力の関係”
“休憩した時のロスの部分”

実は“ぼーっと”が最強モード?

意外かもしれませんが、
発達障害のある人の中には、「ふんわり集中(=フロー状態)」のとき、
ものすごい生産性を発揮する人もいます。

絵や音楽、アイデア出し、クリエイティブな作業など、
“自然に入り込んでる”ときのスピード感は圧倒的。
だからこそ、その流れを中断したくないという気持ちもよくわかります。
でもやっぱり、休憩は必要!

とはいえ、どんなにスムーズに走れていても、
ずっと全力でいれば、いずれはガス欠になります。

だからこそ、自分の中の「谷」を理解して、
「ここで一旦休んだ方が長持ちするぞ」と思えることが大事。

おすすめは、
⏰ タイマーを使って休憩を“仕組み化”すること。

「ちょっと疲れたら休もう」だと、結局休めません。
でも「30分作業したら、5分だけお茶タイム」って決めておくと、
意外と気持ちよくリズムが作れたりします。
まとめ

「休憩が苦手」は、性格や根性の問題じゃありません。
あなたの中にある“集中と注意のコントロール”に理由があるんです。

走り続けたくなる気持ちも、波を壊したくない気持ちも、よくわかります。
でも、本当に大事なのは“長く、楽しく”やれること。

次回は、実際にどうやって“頭を切り替えるか”のコツをご紹介しますので、お楽しみに◎