発達障害の人に必要な力「決めつけ力」とは何か?メリットは?

発達障害の中でもどちらかに二極化するんですが
なんでも決めつけてしまう人

なんでも決めつけられない人
の2タイプがいます。

なんでも決めつけてしまう人っていうのも
もちろん色々問題はあるんですが、
今回は
なんでも決めつけられない人
にフォーカスしてみたいと思います。

決めつけ力がないと

  • 自分の感情が何なのかわからなくて
    フラッシュバック反芻思考をやたらとしてしまったり、
  • ストレスについてもよくわからなくて
    いつの間にかめちゃくちゃストレスを溜め込んでいて
    病気になってしまったり、
  • 体調把握も難しくなり、気づいたら寝込んでいたり
  • 恋愛の感情に気づけず奥手になってしまったり…

というようなことが起こってきます。

決めつけ力とは?

「決めつける」っていうとあんまりいいイメージはないとは思います。

偏見とか先入観とか、なんかそういう言葉がパッと浮かぶんじゃないでしょうか。

“他人を見た目で決めつける”

みたいな文脈だと確かに偏見強そうなんですが、

この記事で”決めつける” というのは、

「色々迷うけど、もうコレはこういうもん
ということで良いや!」

という決めつけです。

これでもよくわからないですよね…?

少し例を出して考えてみましょう。

イメージしてくださいね…

▶︎▶︎▶︎

あなたはあと2週間で引っ越しをします。
今、押入れの中の物を整理しながら
ダンボールに詰めていってるとこです。

…いちばんだるい作業ですよね(笑)

今詰めてるダンボールは、
『すぐには使わないもの』
というくくりで詰めていってます。

押入れから昔買った帽子が出てきました。

あんまりかぶってない…
けど今見たらたまにはかぶりたいと思ってしまった。

さてこの帽子はすぐには使わないものなのか?
それともすぐに使うものなのか?

『うーん、もうすぐには使わないものでいいや!』

“決めつけて” あなたはこの帽子を
ダンボールに詰めましたとさ…

▶︎▶︎▶︎

これがこの記事で言うところの”決めつけ”
のニュアンスになります。

決めつけはしましたが、
誰かを傷つけたりはしませんよね。

なんとなく決めつけとは何か、
分かっていただけたでしょうか?

まぁこの時点では、なんとなくわかったかなー?
くらいで構いません。

この”決めつける” ことができる力のことを
決めつけ力と呼びます。

勇気を出そうとしている人

決めつけ力がないと何がヤバいのか?

決めつけることができないと、問題があるわけなんですが
一体どう問題なのか?というと、

冒頭でもチラッとお伝えしましたが…

  1. 感情が何回も湧き上がってしまい反芻思考にハマる
  2. いつまで経っても夢や目標が定まらずアッチ行ったりコッチ行ったりする
  3. 脳がメモリを無駄に消費してしまう
  4. 自分のストレス体調不良の判断ができず心身を壊してしまう
  5. 優先順位が決められずやることが溢れ出しパニックになる
  6. 恋愛に奥手になってしまう

というような問題が起こってしまいます。

一つずつ見ていきましょう。

感情が何回も湧き上がってしまい反芻思考にハマる

これは記事にもしているので詳しくはこちらの記事を参照してください。
言葉が頭の中でぐるぐる巡る(=反芻)のはなぜ?対処法は?

簡単に解説すると、

自分の感情に名前をつける(ラベリング)することができず
(これって「怒り」でいいのかな??とかアレコレ悩んでしまう)
何度もその感情が頭に浮かびやすくなってしまう

感情のラベリング

という感じですね。

いつまで経っても夢や目標が定まらずアッチ行ったりコッチ行ったりする

ショップで優柔不断な人

夢や目標というのは、「完璧にコレしかない!」

という夢や目標はなかなか見つかりません。

ある程度「コレが夢っぽいな」とか「コレが目標で良いかも」

くらいになった時に、

『えいやっ』と「コレが夢(目標)!」と決めつける必要があります。

その仮夢(仮目標)を目指して進んでいる中で、
より良い夢や目標が見えてくるかもしれないけど
一度決めた夢や目標をしっかりやり切ってから次へ移る方が、
最終的には早く良い夢や目標にたどりつけるはずです。

でも決めつけ力が不足していると、

「本当にコレでいいのかな?」
となって中断してしまったり
そもそも
「夢(目標)が決まらない・・・」となって、
一生スタートすることができない、
なんてことになりやすいのです。

脳がエネルギーを無駄に消費してしまう

実は「決めつける」というのは人間にとって

エネルギーを節約するための大切な機能の一つです。

決めつけることができないと、その都度いちいち判断する必要があります。
犬っぽい動物が目の前に現れた時に、

「犬でしょ」

と決めつけることで

「コレは犬だろうか?それとも別の生き物だろうか?」
ということを、脳が判断するために
エネルギーを消費するのを回避しているんですね。

なので、決めつけ力が低いと毎回判断のための
エネルギーを脳が消費してしまい、
結果として、疲れやすくなってしまいます。

自分のストレスや体調不良の判断ができず心身を壊してしまう

ストレスというのは現代社会ではもはや当たり前のように

諸悪の根源のように言われていますが

発達障害の人たちは自分にストレスが溜まっているのかどうか?が

わからないことがあります。

ストレス自体は

  • なんかイライラするなぁ
  • イライラはしないけど人と目を合わすのが怖いなぁ
  • やたらと昔のしんどかった記憶が呼び起こされてしまうなぁ
  • 何となく一人でいたいなぁ

みたいな感じで、ちょっとした違和感だったりします。

なので、ここでも決めつけが必要になります。
「コレって、ストレスかな?」

「まぁストレスでしょ!」

と決めつけることによって、

ストレスを認識することができてそれを発散するために
カラオケ行こうとか、ボーリングしようとかいう感じで
プライベートの時間を使おうということになるんですが、

「ストレスがある」と決めつけられないと、
ストレスが溜まっていることがわからず
いつの間にかストレスが爆発する

なんてことが起こってしまいます。

優先順位が決められずやることが溢れ出しパニックになる

優先順位を決める上でも、決めつけ力が不足していると
なかなか
「この順番で行こう!」
ということを決めきれることができません。

  • お金(経済力)
  • 交友関係
  • 家族
  • 趣味・娯楽
  • 健康
  • 恋愛

こういった項目の中で順位づけをしていくわけですが、
割とどれも重要な中でどれが1番とか2番とかっていうのを
決める時に、「絶対これだ!」と
スッパリ納得のいくことなんてなかなかないでしょう。

ここでもやはり「この順番で行こう!」という
決めつけ力を発揮する必要性が出てくるのです。

恋愛に奥手になってしまう

恋愛も感情の一種で、

「コレって恋なのかな?」

みたいなのって、他人のエピソードを聞いていても

めっちゃ人それぞれやん!って思いませんか?
『夜寝る前にいつもあの人のことを考えているんだ。
きっと恋しているに違いない
って決めつけですよね?
『あの子と目が合わせられないんだ…
これはきっと恋だ!そうに違いない!』
ってのも決めつけじゃないでしょうか?
決めつけることによって、恋と認識することができ、
その後の行動も決まっていきます。
でもここで決めつけることができないと、
恋って何なのかわからないまま
一生を終える可能性…
もなきにしもあらずなのです。

決めつけ力を高めていく方針

では、決めつけ力はどうやって高めていけばいいのでしょうか?

まずは「発達障害の特性」を把握する必要があります。
そもそも、自分は決めつけ力が弱いとか、そういうことに
気づいている人が少なかったりするのです。

その上で、

「ああ、今決めつけるの難しいな」

ということを認識していくことが重要になってきます。

決めつけることによって、自分の責任が生じてきます。
人に決めて貰えば楽なんですが自力で決めるというのは
やはり精神的なプレッシャーが大きいです。

でも選択することを避け続ければ、
どんどん決めつけ力は低下していってしまいます。

良い循環

決めつける
→責任が生じる
→自分の決めつけに責任を負う
→決めつける→…

悪い循環

決めつけられない(→人の言うままに行動する)
→責任が生じない
→決めつけるのが怖くなる
→決めつけられない→…

というような2つの循環があります。

ぜひ「良い循環」に入っていくことを目指してください。

良い循環に修正するのに「遅い」ということはありません。
今からでも些細なことからで構わないので、
何でも決めつけていくようにしていくことで
自分の選択に責任を負うことに慣れていくことができます。

責任を負うことに慣れた先で、
自分の夢や目標も見つかってくる(決めつけられる)はずです。
そしてその夢や目標がグラグラ揺らいで、
あっちいったりこっちいったりして何してるのかわからない…
なんてことも減ってきます。

まとめ

今回は「決めつけ力」というテーマで、
決めつけられないとどんな弊害があるのか?
決めつけ力を高めるための方針
についてお伝えしました。

決めつけ力は、やってみると簡単なことですが、
コレまでできていない人であれば、ものすごく強力に人生を変えていく効果があります。
ぜひ高めていってもらえたらと思います。

今回は以上です。
お読みいただきありがとうございました。