発達障害が陥りやすいコミュニケーションにおける緊張状態の解除法

悪循環のイメージ

コミュニケーションの改善のための本は効果がない?

書店にはコミュニケーション関連の本がいっぱいありますし、
話し方とかスピーチのセミナーとかも結構探すとたくさんあります。

実際にこういった情報やノウハウ・ハウツーによって
コミュニケーションが改善したという人もいっぱいいることでしょう。

一方で、こういった改善策が全くうまく機能しなかった
という人も私のクライアントではたくさんおられます。
別にこういった情報やノウハウ・ハウツーの類が間違っている
とかではなく、
シンプルに、一つ重要な視点が抜けているだけなんです。

これへの対策が抜けてしまうと、何一つ有効な改善ができないどころか、
その改善策を試すことすらできない
なんてことになったりするんですね。

今回はそのたった一つの重要な視点についてお話ししていきます。

緊張が強いとあらゆる改善策は効果を発揮することができない!?

よくあるコミュニケーションの改善策としては

  • 相手の目を見て話そう
  • まずは話す練習をしよう
  • しっかり頷いたり相槌を打とう

のようなものがあります。
しかし、コミュニケーションを恐れて、緊張してしまっていると…

  • 相手の目を見て話そう
    →緊張して目を見るのが怖い
  • 話す練習をしよう
    →練習でできるが、本番では緊張するから練習しても意味がない。
  • しっかり頷いたり相槌を打とう
    →緊張で頭が真っ白になって何をしようとしていたか忘れる。

緊張状態

つまり、緊張してしまっていると
あらゆる改善策がうまくいかなくなってしまう
というわけです。

次からは、なぜ緊張してしまうのか?
という緊張の原因について解説していきます。

コミュニケーションにおける「会話」の絶対視

緊張状態におちいってしまう一つの原因が

会話への苦手意識

です。

  • 「何を話せばいいのかわからない」
  • 「上手く会話に割り込めない」
  • 「話し出すタイミングがわからない」
  • 「相手を呼び止めたり、目を合わせることができない」

などなど。
コミュニケーションで会話ができない、
となると
「おしまい」じゃないか・・・

と思ってしまったとしても無理もないことです。

なぜなら、
「会話」がコミュニケーションの中核を成している
ように思えるからです。

例えるならば、

  • 野球で足があまり速くない
  • 料理人だけど包丁捌きが上手くない
  • 勉強がしたいけど本が読めない

みたいな感じです。

足が遅い野球選手

これらは、全て一見「致命的」に思えますよね?

実は、この会話への苦手意識が極度の緊張を生んでいるんですね・・・

そして、
会話ができない ⇒ 緊張する ⇒ 会話ができない ⇒ 緊張する ⇒…
という悪循環が発生します。

会話ができないと緊張する

少し話は変わりますが、できないことというのは
より自分の中で大きな存在になっていきます。
「会話さえできれば、人生全て上手くいくのに・・・」
というくらいに捉えてしまうわけですね。

でも現実世界を見たら、ほとんどの人は会話できてますよね。
しかしながら、どうやら会話ができていたとしても、
人生がうまくいっている人ばかりではなさそう
です。

ここで、先ほど挙げた例をもう一度見てみましょう。

  • 野球で足があまり速くない
  • 料理人だけど包丁捌きが上手くない
  • 勉強がしたいけど本が読めない

確かに、致命的な感じはしますが、

よく調べてみると

足が速くない野球のプロもいるし、
包丁がそこまで上手くない料理人もいるし、
本を読めないけどいろんな知識を持っている人

探せばどこかに一人くらいはいるはずです。

緊張の原因の1つ=『観念』とは何か?

緊張状態になることで、コミュニケーションスキルを向上させるための
あらゆるノウハウ・ハウツーが使えなくなってしまう…

まずは緊張をほぐし、リラックスすることでこれらのノウハウ・ハウツー
を本当の意味で活かすことができるようになります。

発達障害の人は、相手の気持ちを想像することが下手という特性があります。

相手の気持ちがわからない

なので、「相手はこう思っているはずだ」という思い込みが強化されやすい傾向があります。

『会話がうまくできない自分を変な奴だと思っているに違いない』
『愛想がないやつだと思われているかもしれない』

みたいな感じで捉えてしまいやすいのです。
こういった考え方が凝り固まって、「観念」を作っていきます。
発達障害の人はとても「観念」が多いのです。

先ほどの「会話ができないとコミュニケーションができない」も観念の一つです。

発達障害の特性を詳しく知っていくことで、
自分がどんな観念を持ちやすいのかがわかるようになります。
その観念を一つずつ解除していくことで、
コミュニケーションでの緊張が少しずつ和らいでいくはずです。

まとめ

今回は、
なぜコミュニケーションの改善策が効果をなさないのか?
について会話への絶対視と緊張の関係を明らかにしつつ
悪循環を断ち切るために
発達障害の特性を知り、自分が持っている観念を取り除いていこう

という流れについて解説しました。

最初はちょっとした失敗や、捉え間違いだったものが
どんどん増幅されていくのが緊張の怖いところです。
適切な方法であれば解除していくことは可能なので、
諦めずにリラックス状態を目指していきましょう。