発達障害の感覚過敏の原因その1

今日は、発達障害の人に感覚過敏が多い原因について書いていきます。

「発達障害 感覚過敏」って検索窓に入れて
ざっくり調べたんですけど、なぜ感覚過敏になるのか・・?
について解説してる人・サイト・動画は見つかりませんでした。
もしいたら教えて欲しいんですけど・・・

なので発達障害の人1000人強と付き合って支援してきた私が
書くしかないのかなという謎な使命感によって本記事は書かれております。

「感覚過敏」自体を知らないっていう人は、他にいっぱい情報はあるんで
そっちをまず当たってもらえたらと思います。

感覚過敏でしんどいのは、“感覚情報が溢れ出した状態” です。

具体的にどういう状態かというと、

  • いつもは気にならない光や音などの刺激でイライラする。
  • いつもは気にならない音や光などの刺激が気になって今やるべきことに集中できなくなる。
  • いつもは気にならない音や光などの刺激が邪魔で思考力および判断力が下がる

などの状況です。

あえて「いつもは気にならない」を強調したんですけども(笑)。

感覚過敏の何が不思議か??って当事者なら分かりますよね。
気になるか気にならないかは場合(状況)によるんですよ・・・

これを理解するには“感覚情報のオーバーフロー”状態について知らないといけません。

ざっくり言えば感覚情報が溢れ出した状態のこと。

ちょっと構造的な話になるので、分かりやすくするためにまずはバケツをイメージしてください。

バケツにホースでも水道でも何でもいいんですけど水を入れていきます。

すると、溢れますよね。当たり前ですけど。

ここで、

水=感覚情報
バケツ=脳のキャパシティ

と考えて、水、つまり感覚情報バケツ=脳のキャパシティから溢れ出している状態が
上で挙げたような「いつもは気にならない」音や光の刺激でイライラしたり集中・思考を
乱されたりする状態
というわけです。

「水とバケツに例えた脳と感覚情報の関係図」

この図で示したような状態が“感覚のオーバーフロー”状態というわけです。
以下、めんどうなのでオーバーフローと呼びます。

健常者もオーバーフローにはなる

ここで衝撃の事実ですが、オーバーフローっていうのは健常者もなります

寝ずにずっといたりすると、感覚情報が溢れ出します。

なぜ寝ないでいると感覚情報が溢れ出すのか?というと、

人は寝ている時に感覚情報の整理をするから

です。また非常に重要な考え方が出てきたので、強調してもう一回言いますが

人は眠ってる時に脳の中を整理します。

また例を出して恐縮ですが、本棚ってあるじゃないですか。

本を出して入れてって繰り返してると、本棚ってなんか入りきらなくなるじゃないですか。
私なんて、横着なので本を横に寝かして入れたり、斜めになってたとしても
気にせずそのままにしていたり
します(笑)

「適当に入れた本棚よりも綺麗に整理した本棚の方がよく入る図」

これを整理すると、入らなかった本も入るようになりますよね。
実は、脳もこれと同じような感じで感覚情報などを寝ている間に整理してくれています

脳は眠ってる間に情報を「リセット」してくれる

ここで、

寝る=本を一回外に全部出す

というイメージを持ってみてください。
今本棚に入ってる本を一回全部引っ張り出すわけです。

想像するだけでもめんどいですよね(笑)

でもそれを脳が寝てる間にやってくれているんですね。
一回引っ張り出すことで、整理しやすくなります。

起きている時は、本を引っ張り出すことはできません

新しい本(=情報)を本棚に入れることしかできないイメージです。

大きい本から詰めた方がいっぱい入る

で、本を入れる時って、効率の良い入れ方ってありますよね。

図鑑みたいなでっかい本から入れたほうが入りやすいわけです。

これに似た小話というか教訓じみた話で、
『バケツをいっぱいにする石と砂』
の話ってあるんですが、知ってますでしょうか。

画像は( https://kotakurihara.substack.com/p/8bd )さんより拝借

この画像のように、大きい石から詰めると、
その間に小さい石が滑り込んでいけたりするので
先に大きい石から入れよう、みたいな話です(画像だと小さな石が入ってませんけど笑)

これって、本棚でも一緒ですよね。

小説とかライトノベルとか新書
みたいな「小さめの本」から本棚を埋めていくと

後で大きい図鑑とか解体新書とか三国志のでっかいやつ
とかが入らなくて困るわけです。

「おいどうやっても入らないぞ・・捨てるか?」

となるわけです。

なので、

先に大きいやつから入れていくほうがいっぱい入るんですね。

これは、情報でも同じ です。

情報に優先順位をつけて、重要な情報から脳に詰め込んでいく方がいっぱい入るんです。

要らない情報はその時その時で選別して、捨てていくことで、
1日分の情報くらいは脳は余裕で入るようにできています。

しかし、これは健常者の場合です。

発達障害の人は、この情報の優先順位づけがうまくできない状態なんです。

だから、大きい本(情報)から入れて、後で小さい本(情報)を詰めていこう

っていうような順序立てて情報を詰めていくことができないのです。

じゃあどうなりますでしょうか??

オーバーフローしますよね。

オーバーフローすると、

  • 情報が頭に入らなくなってきたり、
  • 普段ならできる処理が遅くなったり、ぼーっとしたり、
  • 情報を弾くためにイライラしたり、
  • 人のことや社会のことを否定ばっかりしたり

みたいな状態になってしまいます。

まとめ

以上が、感覚過敏になぜなるのか?どういった流れでなるのか?

の全体図です。

流れをおさらいしますと、

・なぜ感覚過敏って「いつもは気にならない」音とか光が気になってくるのか?

・それは感覚情報がオーバーフローを起こすからだよ

・なぜオーバーフローするのか?というと、

・人は寝てる時しかその日入力された情報を一旦リセットした上で、整理することができない。

・起きてる間は、情報が入力されるたびに「優先順位」をつけて脳に格納していく。

・でも発達障害の人はどの情報が優先でどの情報は捨ててもいいのか?という能力が欠如している。

・だから起きてから時間が経過してくると脳の情報が溢れてオーバーフローしちゃう。

というような話でしたね。

こういったメカニズムがわかってくると、
そもそも情報量を普段から減らしたり、
睡眠を増やしてみたり、
1日の途中で脳を整理(書き出したり瞑想したり)する時間をとる

といったような対策も思いつくのかなと思います。

今回は以上です。
今日の情報があなたのお役に立てたなら幸いです。