『お願いすることに抵抗がある』
という受け身型ASDの悩みはよく聞くと思いますが、
これに対する解決法として、
先日の妻とのやりとりの中で気づくことがありましたので
共有したいと思います。
かなりの数の発達障害当事者(特に受け身型と思われる人たち)と
付き合ってきていますが
お願いしようかしまいか、やっぱりやめとくか、
的な悩みというか、そういった脳内グルグル案件は
悩みのうちでもかなり大きな割合を占めていると思います。
簡単なことで言えば、トイレ掃除〜
大きなことで言えば、 “大学に通いたい”
とか “転職させてほしい” とパートナーや家族に伝える
といったことまで..
人生において「お願いする」という行為は
かなり広範囲に渡るアクションと言えます。
この問題が解決・悩みが解消、ということになるのであれば
今後人生レベルで大幅に生きやすくなることは疑いようのない事実かと思います。
もちろんアプローチとしては
発達障害へのアプローチ(のうちでも特に受け身型へのもの)
を使用することになります。
端的に言えば、
お願いできないという時、
相手の仕事を自分の仕事と捉えてしまう
という特性がいつも通り悪さをしています。
そのうちでもこの場合に考えられるのが、
『手段とタイミングの限定』
という特性の悪さの仕方になります。
お願いするときに、
相手のやり方(手段)とタイミング
があるわけですが、
お願いする人(受け身型ASD)側の頭の中で勝手に
相手のやり方(手段)とタイミングを決めてしまっている
ということです。

例えば “トイレ掃除をしてほしい” とお願いする時に
言葉にはせずに
“トイレ掃除をして(床拭きは使い捨てシートを使用して、
便器の裏まで磨いて欲しい)欲しい”
というような含みを持たせてしまっているということです。
さらにタイミングについては、
相手が「うん、やるよ」と答えたら、
相手ができる限り早く取り掛かるのではないか?
と勝手に決めつけてしまっていることが多いです。
別にトイレ掃除自体は、お願いした側としてはいつやっても良いと
思っているが、自分の場合は頼まれたらすぐに取り掛かってしまうから
相手にとっても同じことだろう、と考えてしまう(アスペルガーの思考)
というわけです。
そう考えることで、相手のトイレ掃除の負担感を勝手に過大評価してしまい
頼みにくくなるというわけです。
今すぐに、しかも床拭きと便器裏までやるとなると
相手がしんどいんじゃないだろうか・・・?
と勝手に独りごちてしまい、頼むことに躊躇してしまう、と。
でも、相手がどんなやり方でどのタイミングでやるか?というのは相手次第なんですよ。
受け身型の人はそこに意外とと言うか、当たり前に気付くことができない。
そのせいで、お願いすべきことが
(相手にとって)すごく大変で重いタスクのように勝手に捉えてしまう
と言うわけです。
これをどう解決すれば良いか、ですが
『やり方とタイミングはあなたにお任せします』
の文言を入れることです。
もっと言えばNGなやり方と期限(「○曜日までに」など)も明確に伝えることで、
相手のやり方とタイミングでできるから、
そこまで相手にとっても(いつでもやりたいようにできるわけだから)
負担はないだろう、と思えるわけですね。
このお願い方式の応用例としては、
家事とかなら、冷蔵庫にホワイトボードのようなものをかけておいて
伝言という形で『トイレ掃除好きなやり方で日曜までにやっといて』
と書いて置いておく、というようなものや
LINEなどを使って伝えるのも良いかと思います。
大事なのは心理的抵抗感を減らすというポイントです。
『ちょっとティッシュとって』
とかであれば受け身型でもよっぽど緊張する相手でもない限りは
頼めるはずですからね。
つまり、相手にとっての負担を考えなければお願いはできるはずだ、
ということです。
以上です。今回の気づきがなんかの役に立ちましたら嬉しく思います。